こちらは以前Twitter上に出回ったミリオンゴッド凱旋の撤去日リストです。ただし、同じ都道府県内であっても、エリア(担当所轄)によって期日は前後するので、上記が必ずしも正しいわけではなく、参考程度のものと捉えて下さい。ボクの知る限り、大阪の一部エリアでは、来年1月まで正式な認定期日が残っているエリアもあるそうです。

さて、サラリーマン番長に続いて、予想通り凱旋の未撤去店が存在し、物議を醸している昨今ですが、凱旋を撤去しないホールは今後一体どうなるのか、そしてプレイヤーへの影響は何なのか、もう一度おさらいしておきましょう。

中古機の導入・チェーン店間での台移動が出来なくなる

まず、ホールにとって最も痛手なのがこちら。パチスロは中古機を導入(チェーン店間での移動含む)する場合、必ず「中古機流通協議会」というところが発給している確認証紙を貼らなければなりません。

この証紙が貼られていないパチスロを設置・営業した場合、一発で営業停止になる違反であり、最悪のケースでは営業許可取り消しとなる最大級のペナルティがある法令違反となります。

現在のホール経営において、自店のパチスロを売却したり、中古パチスロ機を新台として導入したり、増台したり、というのは欠かせない営業戦略の一つとなっています。ミリオンゴッド凱旋を期日までに撤去しないホールは、外すまで永久に中古機の活用が出来なくなります。また、撤去が確認されたとしても、期日を超えていた場合には、撤去した日から120日間、証紙の発給がストップします。

尚、撤去とはホールから完全に台を無くす事。電源を切っているだけでは撤去となりません。

メーカー・販社からの新台販売・部品供給が止まる?

公式発表が無い会社も含めれば、現在10数社がホールに対して「凱旋を撤去しない場合、新台販売や部品供給を差し止める可能性がある(要約)」旨を文書で通達していおると言われており、該当するホール事業者は今後新台を買えなくなる恐れがあります。

つまり、先の中古機と新台の両方がストップし、台が故障した際の修理も不可能になるという事です。そうなれば、ホール営業自体が成り立たなくなり閉店一直線となってしまうでしょう。

ただし、販売を差し止める事はメーカー・販社にとっても不利益な事。例えば、期日後1週間で凱旋を撤去したホールと設置し続けたホールで対応が変わる事は十分あり得るでしょうし、この通達はあくまでも各社の判断というだけなので、ポーズだけという可能性は高いです。

プレイヤーにとっての影響は甚大

ミリオンゴッド凱旋は、多くのファンがいたからこそここまで支持されてきました。しかし「ホールにとってこれほど美味しい貯金箱もない」台だったのも事実です。稼働・売上・粗利ともに、沖ドキと並び他の追随を許さない高水準で、代わりになる機械などない、というのがホール関係者の見方です。

そして、凱旋の代わりが人気も売上もイマイチな6号機(5.9号機)となれば、ホール経営には大きなダメージとなります。

一部のホール関係者が「凱旋や沖ドキあってこそ、ジャグラーを始め他の機種を甘くできる」と語っている通り、凱旋が無くなれば単にその台が打てなくなるだけでなく、還元状況が一変するホールがあるという事です。

平常営業がより厳しくなる、特定日でも設定配分がかなり弱くなる、といった懸念があり、資金力のあるホールとそうでないホールとの差は益々大きくなるでしょう。

特に凱旋の設置台数が多かったホールには要注意。そもそも凱旋を始めとする高射幸性機はコロナ禍による設置期限の延長措置とは別に、以前より順次外していくよう指導されてきた台です。そんな台を削減するどころか増台するホールなどもありました。凱旋がギリギリまで大量にあった店舗というのは「モラルは無視して取れるところからは徹底的に取る」を是とする経営という見方も出来ます。

コロナ禍で余裕のないホールが多い中、そのような姿勢のホールが今後プレイヤーに還元など考えるわけがありません。凱旋の撤去問題というのは、ホール側のそういった姿勢が見え、ホール選びの判断に繋がる出来事として捉えるのがベターです。

毎年11月はパチンコホールの売上が下がる時期でもあり、コロナ禍もある今年は本当に厳しいホールが多いので、プレイヤーサイドも今まで以上に慎重な立ち回りを心掛けて下さい。

期限切れの疑いがある場合は通報システムを活用しよう

11月16日現在、首都圏では千葉県の某大手チェ―ンが凱旋を未撤去と話題になっています(サラ番も)。

21世紀会誓約書未履行事案連絡フォーム

凱旋に限らず、もしも身近なところに本来設置してはいけない遊技台が設置・営業されていた場合には、上記より該当ホールを通報する事が出来ます。これはお客側からの通報も受け付けています。また、正確な撤去期限が分からなくとも、疑いがある場合に通報する事は何ら問題ありません。

そして、ここへの通報が、現状最も適性かつ効果的な手段です。

ある程度業界の事を知ってくると、サラ番や凱旋の未撤去について憤りを感じ、Twitterなどのネット上にホールを晒して叩くような行為が横行しがちです。しかし、そんな憂さ晴らしはかえってそのホールの経営陣に、話題になっている事をわざわざ知らせてあげるようなもの。それよりは粛々と通報し、突然21世紀会からの調査・確認が入る方が遥かにダメージが大きいはずです。

何とかしたいという思いのある方は、是非この通報システムを活用して欲しいと思います。

一番の被害者は現場の店員?

ごく一部であって欲しいと思いますが、凱旋が未撤去な事について、現場のホールスタッフを詰問するようなケースが散見されます。

ただ、当然ながらホールスタッフ、もしくは店長クラスであっても、凱旋を撤去するかどうかの権限はありません。まず間違いなく経営陣の判断で凱旋を設置し続けており、店長以下現場のスタッフはあくまでもサラリーマンですから、その決定に従わざるを得ない状況です。

ホール店員の中でも、心ある人は自店がそんな会社である事に心を痛めている人がいる事も忘れてはいけません。現場に不満をぶつけたところで何も変わりません。

「凱旋警察」などとくだらない揶揄を気にする必要などありませんが、サラ番の問題を受けて21世紀会が正規の手順(通報システム)を用意したのですから、現場のホールスタッフに当たり散らしたり、ネット上に晒すような行為は控え、正規の手順で粛々と通報していくべきと考えます。

まとめ 凱旋未撤去は本当に適法なのか?

凱旋やサラ番等の高射幸性機を撤去しろという取り決めはあくまでも21世紀会という業界団体が決めたものです。その一方で、風営法の関連規則には1年の延長とハッキリ書かれています。この点やサラ番の際に警察が取り締まらなかった事を論拠に、撤去しなくても法律違反ではないという人が多いのも事実です。

しかし、この問題はそれほど単純ではないグレーゾーンです。適法とも違法とも現時点で判断できる問題ではないのです。

その根拠となるのは以下の弁護士による答弁です。

決議に基づくルールは適法 問題は組合の権限とプロセス

法律の専門家である弁護士でもこの問題についての見解は難しいとしており、適法かどうかを現時点で判断できる人は誰もいないというのが正確なところでしょう。

ただ、いずれにしても我々プレイヤーが出来る事は「もう凱旋は打たない」であり、「凱旋を撤去しないホールには二度と行かない」です。

「業界の事なんてプレイヤーには関係ない」

「パチンコ・パチスロなんて所詮は刹那的な小博打なんだから好き勝手打てばいい」

こういった考え方がある事も承知していますし、それを否定するつもりもありません。しかし、少しでもこの業界を応援したいなら、もっと楽しいパチンコ・パチスロがこれからも続いて欲しいと願うのであれば、「凱旋を打たない」「凱旋のあるホールに行かない」「そんなホールを見かけたら21世紀会のフォームに通報する」という3点が我々にとって肝要です。

これは、サラリーマン番長を設置し続けたホールに対しても同様です。

一部の利己的なホール経営者の為に、我々の貴重なお金や時間を奪われるなんて馬鹿げている。そして、そんなホールよりも良いホールはいくらでもある。ならばボクはそちらを選びたい。その一心です。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 好物はアナログ機とリーチ目メインのスロ
  • パチプロ時代に当時タブーとされていたCR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上。
  • それを機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。時々業界人ぶるのが悪い癖

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