全日遊連理事会 認定機、みなし機の取扱いは未定(遊技通信web)

引用――

現行機の認定申請の具体的な行い方などは現時点で警察庁からの回答がないことを報告。みなし機の今後の取扱いについても、「わからないとしか言いようがない」と述べるに留めた。さらに理事長は、理事会でも遊技機設置状況調査における認定希望台数や稼動中のみなし機の台数などに関する報告は行わなかった(中略)

一方で阿部理事長は、「どうなるかはわからないが、認定申請の作業に関しては全商協、回胴遊商との打ち合わせはしている」として、改正規則の施行前にスムーズに対応できるよう、準備を進めていることを明らかにした。

――引用ここまで

 

来年2月1日の新規則施行まで、残り5か月程度となっている。

その間、みなし機の扱いについて様々な憶測が流れているが、ここで「みなし機」とは何かという点について今一度整理したい。

みなし機とは

・パチンコ屋に設置する際に義務付けられている「検定」を通過し、3年間と決められている検定期限が切れたパチンコ・パチスロ機

・もしくは「検定」期間内に「認定」(追加で3年)を受け、「認定」も切れたパチンコ・パチスロ機

の事を指す。また、

・みなし機は故障時を含めた部品交換が一切できない

・再認定は法律上は可能だが現実的には不可能

・店舗間の移動が不可能(勿論中古としての販売等も不可能)

という物だ。

昭和の時代のパチンコ屋には、みなし機は溢れていた。部品の故障などについても、今ほど変更承認(部品交換)に関する取り締まりが厳しくなかった事から、設置され続けていた歴史がある。

ファンも自分の好きな台が長く設置されている事を望み、「みなし機」という言葉を認識する事もなく受け入れてきた。

その流れを大きく変えたのが、今回の規則改正の一つ前の改正である2004年の出来事だ。

当時、ミリオンゴッドや獣王などの爆裂AT機が社会問題化し、警察行政並びにパチンコ屋への風当たりが強まった結果、「著しく客の射幸心をそそるおそれがある」として「みなし機」の撤去を進めた。

そして、この時の警察庁は新規則施行日の2004年7月以降も、約2年間の猶予期間を作り、その間業界側の自主的な撤去と合わせてみなし機について緩和措置を取った歴史がある。

 

今回の規則改正で、業界側がみなし機の取り扱いについて懸案しているのは、この時と状況が似ている。

ただし、業界へ向けられる社会からの目は2004年以上に厳しいもので、その為「みなし機を早急に撤去させるべき」といった論評が出てくるのは当然の成り行きであり、そこは業界団体も理解している。

実際、みなし機が今2018年2月以降、撤去までに一定の緩和措置が取られるかどうかについての見通しは暗い。

 

少し話は変わるが、もう一方で綱引きが始まっているのが「認定」についてだ。

直近で「検定」切れが迫っているのは2017年11月に検定切れとなるミリオンゴッド凱旋や、12月に検定切れとなるゴーゴージャグラーなど。

メーカーが保通協に持ち込む「検定」とは違い、「認定」はホールが各都道府県の公安委員会に申請を行うものだが、提出資料にはメーカーの協力が必須という事情がある。

現状、ホールはミリオンゴッド凱旋などの人気機種を2018年2月以降も正式な機械として運用できるよう「みなし機」にしたくはない。

しかし、今回の規則改正を商機と捉えた一部のメーカーが、認定に必要な資料を「新台と抱き合わせ」にしているなどという噂がまことしやかに囁かれている。

また、警察は警察で、今回の規則改正に至った背景を鑑みた際、このタイミングでの旧基準機の認定を認める事が相応しいのか、という問題がある。

法的にはなんら問題が無い話だが、そこは政治や社会情勢の中で、倫理的・感情的な議論が渦巻いている。

 

これらの問題が今後どうなるかについては、冒頭の通り「わからないとしか言いようがない」。

しかし、法で認められた民間事業者の団体である業界組織が2004年のような経過措置を望むのは当然の事であり、「みなし機」の撤去期限を来年2月と区切るのであれば、相当数の中小ホールとそこに関わる人々が苦境に陥る。

それは雇用や税収にも関わってくる非常にデリケートな問題だからこそ、経過措置に対する議論の余地があるのだ。

 

業界にとってこれ以上なく大事な局面ではあるが、そんな最中、9月4日付けで警察庁の保安課長が交代した。

このことからも、警察庁の関心の無さが伺える。