〇募集要項はこちらから

http://support21.or.jp/needsupport/scholarship-pp/page-3/

 

以前、シリーズ「人々の本音」 Vol.1 田中紀子氏のコラムでも少し触れたが、パチンコ・パチスロ業界の支援で設立された奨学金制度の2018年度の募集要項が告示された。

 

① 応募資格

  • 日本国籍を有する者(特別永住者を含む)
  • 2018年度に国内の大学院、大学、短期大学、専門学校、高等専門学校への進学予定者もしくはすでに在籍している者
  • 経済的な理由で就学が困難な者
  • 学業優秀であること
  • 自らの研究もしくはこれからの研究に関する、未来への夢やビジョンを明解に語ることができること
  • pp奨学金の広報に積極的に協力できること (当サイトやPP各店のポスターといった様々な広報機会において、個人が特定されない範囲で顔写真、学校名等の掲載を了承できる者)

② 給付内容

  • 人数:若干名(10名程度)
  • 期間:2018年4月〜2019年3月(1年間)
    ※次年度の継続受給を希望する場合も応募が必要です。
  • 月額:3〜5万円(返金不要)

③ 募集期間

2017年9月15日(金)〜2017年10月31日(火) ※必着

 

その他の詳細はリンク先をご覧頂きたい。

この制度の素晴らしいところは返金が必要ないという点だろう。

少子高齢化が待ったなしで進み、奨学金の返済に苦しむ若者が社会問題化する中、非常にタイムリーで意義のある活動だ。

勿論、審査のハードルは相応に高いと思われるが、こういった情報は知っておくに越したことは無い。

パチンコ・パチスロ愛好家の方で、お子様が対象年齢ないしそれに近いという方は、是非とも覚えておいて頂きたい制度だ。

 

ただ、2点だけ注文を付けさせて頂けるとすれば、応募資格の中に「パチンコ・パチスロ業界関係者を除く」の一文は入れて頂きたかった

勿論、いわゆる“コネ”がまかり通っているなどと思ってはいない。

しかしながら、こういった制度は実際に奨学金を受けられる事が決まった若者の情報は当然ながら出てこない。

それ故、せっかくの素晴らしい制度に対して「どうせ業界人の中だけで回しているんだろ?」なんてゲスの勘繰りでケチがつく事は予め想定しておくべきだろう。

残念ながら元々いかがわしい商売と見られているこの業界は、他業種以上にそういったスキを作ってはいけないのだ。

田中紀子氏がインタビューの中で「業界はお金の使い方を間違えている」と語っていたが、そうではない事を示す為にも「良い事をした」で満足してはいけない。

 

そして、「pp奨学金の広報に積極的に協力できること 」などという文言を条件に盛り込んではならないと思う。

警備会社の大手セコムの創業者である飯田亮(まこと)氏はかつてこう言った。

 

「奇跡を起こすためにやることは、得るために与えるのではなく、惜しみなく与え続けることでしょうね」

 

この取り組みを業界広報に利用するのは当然だ。けれど、それを表に出してしまうところが下手クソとしか言いようがない。

初めから見返りを期待すれば業界に負のイメージを持つ人間はそもそもこの制度に応募しない。

けれども、当初はアンチであってもまず「与えられ」「与えられ続ければ」募集要項で求める程度の協力許可など造作もないであろうし、実利を得れば業界への見方も変わっていくのが人間だ。

 

苦境に追い込まれている業界にとって、ここからのリカバリーは奇跡に近いものかもしれない。

だからこそ、一つ一つの戦略を丁寧に組み立てていくべきではないだろうか。