今年の11月までに撤去予定だった5号機の検定が来年(2022年)の一月まで延長されました。コロナ禍の中でバタバタとホールが潰れていますから、これはポジティブな内容と言うよりは延命措置に近い最低限の対応に見えます。そんな中でスロットの方で規制緩和の話が出ています。

 

内容は1500Gの有利区間が3000Gまで延長される…というもの。多くの業界関係者が発信している通り「そこじゃない」という感じの緩和です。

 

今のスロットの状況を自分は「5回リミッターが付いていた頃のパチンコ」と比喩します(若者には分かりにくい比喩ですが)。今回の規制緩和をそこに当てはめるなら、「規制緩和で連チャン率を高くできるようになりました」みたいなもので、そもそもリミットが付いてるなら意味ないじゃんとしか言いようがありません。

 

…が、本当に意味がないかと言うと、そんなことはないです。今回の緩和で少なくともゲーム性の幅は広がります。例えば、6号機の大きなストレスになっている2400枚取れてないのにAT終わる問題が解消されます。

 

何故この問題が起こるのかというと、1Gの純増が3枚の機種で2400枚のリミットまで消化するには800Gが必要です。しかし、ARTに入るタイミングが悪くて有利区間が残り600Gしかない…のような状況(約1800枚でARTが終了します)。これが、有利区間を3000Gにすることで解消されます。もちろん、作り方によっては起こりえるのですが、ほぼほぼなくなると考えていいでしょう。

 

また、上の問題とセットで1Gあたりの純増枚数が少ない機種も作れそうです。今までは純増が少なければ少ないほど取りっぱぐれが多くなりましたので、必然的に純増枚数は多くなっていました。ここが解消されることでゲーム性の幅が広がる可能性があります。

 

…と、ポジティブに語ってきましたが、自分の今回の規制に関する感想は飽くまでも「そこじゃない」です。要点をずらされた緩和で、普通に捉えるならこれでスロットが復活することはないでしょう。

 

一見するとゲーム性に関係なさそうな規制でも、あればゲーム性の幅は狭くなります。逆を言うと、一見どうでも良さそうな規制緩和でも、自由にできるなら新しい発想が生まれる可能性があります。自分の想像する限りでは今回の規制緩和はほとんど意味をなしませんが、もしかしたらメーカーの開発は全く違う未来を見せてくれるかもしれません。新基準のスロットに、一応、期待。