求められることは少ないのですが、大事なことと思うので書きます。前回の記事のタイミングでこちらにしておけよと思ってしまいそうですが、5月20日までギャンブル依存症問題啓発週間でした。2019年10月に施行された、ギャンブル等依存症対策基本法の中に、5月14日〜5月20日が啓発週間と定められているのです。

昨年よりもニュースなどの話題になっていないような気もしますが、前回は啓発週間が定められての1年目。今回は2回目というのもあるかもですね。同じことは書けない(できない)なんて発信側は思ってしまうもの。ただ、何もしていないわけではありません。PAA(ぱちんこ広告協議会)では、RSN(リカバリーサポートネットワーク)の西村直之代表、マルハンの鈴木智一さんをお招きして、Zoomにてセミナーを開催しました。

 

西村さん曰く。世界では多くの国にカジノがあり、様々なエビデンスに基づいた法整備や理解が進んでいるところも多いのに対し、日本はまだまだギャンブル依存問題について後進国である。後出しジャンケンで負けているとのことでした。私もまったくもってその通りと思います。

一般の報道にありがちなのが「パチンコ依存で1000万円借金、家庭も崩壊。パチンコは悪だ」というものでしょう。パチンコ・パチスロがすべてに素晴らしいものとは言いませんよ。しかし、そのような報道を見ていて感じるのは「それだけ負けるのも大変、パチプロに匹敵する稼働時間」とか。うん、まずは冷静に考えてしまいます。

仕事を放ったらかしてパチンコにのめりこんだのか。仕事がないからパチンコ屋に入り浸ったのか。収入がないのに生活水準を下げなかったから借金するようになったのか。人それぞれでしょう。解決方法だって、それぞれ違って然るべき。まあ、そのあたりは昨年書いた“『これってほんとにパチンコ依存?』人と向き合う依存問題。(PAA主催:第2回ギャンブル等依存問題勉強会)”を読んでいただければ嬉しいです。

 

それなのに日本の現状は「とりあえず、その人からパチンコを取り上げれば解決」という風潮になっているように感じます。確かに、切り離せば”パチンコ依存症”ではなくなります。THE後進国。

ただ、困っている方の根本の問題は解決するのでしょうか。適当な例ではないかもしれませんが。特定部位のガンの患者さん増加が大問題となったとして。疑わしい人も含めてその特定部位を全摘出すれば対象となるガンの患者さんは激減します。原発病巣? 転移? 全摘が必要ない初期? 知りません。

対象となる患者の数だけ減れば目的は達成です。特定部位のガンの患者さんがこれだけ減りました。そのほうがやっている感も出せますし、分かりやすいわけです。変な例で気分を害された方は申し訳ございません。他意はございません。日本は、このような場当たり的で数字の見栄えを求める風潮が強いように感じるということです。

 

先ほど記事のリンクを貼らせていただきましたが、その中で紹介させていただいた”その人を見てくれる”ワンデーポートさんのような活動が全国に広まることこそ、日本の依存問題対策も一歩前進する。全国でこのようなケアを受けられる拠点が増えれば理解も進みますし、救われる方も多くなると確信しております。しかし、ひとりひとりに向き合うのは大変なこと。成果も分かりにくく労力も大変ということで、そのような活動をしてくださる拠点がなかなか増えていかないそうです。

ええ。ということで、この記事を書いているのです。依存問題、大丈夫ですか? と昨年書いたこともまさに啓発ですが、正しい考え方を発信し続けるのも啓発と思うからです。私なんぞ、ものすごく微力ですが(笑)。

ちなみに、ここでリンクを貼ったいくつかの記事も「その人に合った解決法」と同じことを書いています。結論を変えられるわけがない、同じことでも大事なことなので何度も言っているだけ。そうご理解いただければ幸いです。

 

最後に。依存かなとか不安に思われた方は、RSN(リカバリーサポートネットワーク)にご相談ください。全国のホールにポスターがあるように、どっかの天下り団体でしょ? やっているポーズのお役所仕事でしょ? なんて思ったら大間違い。そのあたりのエピソードは割愛させていただきますが、ちゃんと「その人に合った解決法」をサポートしてくれます。

というか、相談するならばまずはRSNがベストかと思います。地元の自治体などに相談しても、ギャンブル依存問題をきちんと理解してくれているところとは限りませんから。