2000年5月29日、私は『必勝パチスロファン(日本文芸社:休刊中)』で、攻略誌デビューをいたしました。今年で21周年ということになりますね。キリが悪い? いやいや、将棋の棋士も、ちょっと中途半端に思える81歳を”盤寿”として祝います。将棋盤の「9×9=81」マスが由来ですね。

パチスロのリールに配置できるのは最大で21コマまで。その21コマで遊ぶことが大好きで今に至ります。最近は20コマリールの機種も増えましたが、やはり21コマある配列のほうが好き。なので、20周年よりも21周年のほうが祝いやすいと思うのです。私しか提唱していませんが、パチスロの日は語呂合わせの8月4日ではなく、3本リール の21コマで3月21日が相応しいと思っています(笑)。

 

と、攻略誌デビューを基準にしていますが、自分でも正確な業界キャリアは分かっていなかったりします。ニフティ株式会社から掲示板サービスの管理を業務委託されていましたし。そこでBiG チャンネル(現:パチテレ!こちらも21周年)のプロデューサーさん(当時)と知り合って、業界誌に書かせていただいたり、開局前の特番にも出演させていただきました。はい、ここからの話、攻略誌と関係なくなっていきます。

「長く続けられている秘訣は何ですか?」たまに聞かれるのですが、一番は「辞めないこと」ですね。諦めたらそこで試合終了です。あとは多くの方々とのご縁です。書きたくても書く場所がなければ続けられません。日々書けることを感謝して手を抜かない。スキル不足と手を抜くのは別物です。なんて、当たり前のことは割愛させてくださいませ(笑)。

 

○最初が部下を育てる目線のアドバイスだった

普通の会社などでも、文字を書く作業は避けられない方も多かろうかと思います。部下が書いた企画書を突っ返すだけだと「怖い、パワハラだ」と言われ、自分がやったほうが早いと書き直すと「部下を育てる気があるのか」と上司に怒られそんな方々の悩みに対するヒントとなるのかな。なったら嬉しいです。

 

振り返ってみて大きかったと思うのは、そのプロデューサーさんの存在です。色々とお仕事を紹介してくれたのもありますが、そんな生々しい話ではなく、執筆や編集をする際の基本を作っていただきました。

その方、元々はパチンコの攻略誌だけでなく、別ジャンルの一般誌にも書くフリーのライターでもありました。紹介した手前か、私が書いた業界誌のデビュー原稿のチェックをしてくれましたが、私が書いた2000文字程度に対して、それと同じだけのアドバイスを書いてくださったのです。

日本語の間違いなどは、当時から少ないほうだったかな。ほぼなかったです。一応、文学部国文学科出身なので。そのような言葉の指摘をすることも編集作業ではありますが、そうではありませんでした。「ここの視点は独特で面白いから広げて。あちらのブロックは書かなくても伝わることがメインなのでカットしましょう」など、内容に関するものばかりでプリントアウトした文章が真っ赤になっていました。ただただ、拙い文章にこれだけ真摯に時間を割いてくださったことに感謝。

そのアドバイスを「ほう、プロはこう考えるんだ」などと自分なりに“咀嚼して(これ大事)リライト”しました。咀嚼しなければ自分の文章でなくなりますからね。

この経験があったから、今の私がいるように感じています。

 

ダメな部分のみを指摘してもモチベーションは高まりません。文章を大改造するとして、その編集さんが書き直したほうが絶対に早いです。しかし、その手術の意味を本人に理解させられなければ、同じことを繰り返すだけ。直された原稿を見て、それですべてを察しろという時代ではありません。

私も一時期は編集でしたし、現在は若手さんの世に出る前の原稿から感想を求められることもあります。そこでは”私がしてもらったように”褒めて伸ばすべき部分や、カットするにしてもその理由まで。意図と感想を書いてお渡しすることにしています。時間があればリライトしてもらいますし、なければ直してからそうした理由を伝えるだけになってしまいますが。

その後輩から「は、何言ってるの?コイツ」と思われることだってあり得ることです。書くほうも緊張しますよ。これをやるには自分も日々成長を続けなければいけないんです。ええ、2〜3年前に書いた文章を直したいです。これをやるのは、自分のためでもあるのです。

手間はかかりますが、部下の書いた文章をチェックするような立場の方は、この”アドバイスをフルスイング”する方法を試してみてはいかがでしょうか。時間を割いてくれたことに感謝できる人には必ず届きます