カジノに関してなのだが、日本においては先の国会でIR推進法が成立したこともあり、現在の情勢から考えると、近いうちに国内の有力地域にIR型カジノができるだろうことは想像に難くない。その運営は海外のカジノ関連企業も有力とされている。何のことはない、海外のカジノ企業が新たな市場を求めて日本にカジノ解禁を迫ったとの噂もあるが、今回の件は日本の有力パチンコチェーン店が海外カジノに活路を見出したということだ。

北海道、東北、関東でパチンコホール「ベガスベガス」を中心にアミューズメント、カフェなど多彩な事業を展開する㈱ベガスベガスは12月11日、ベトナムでカジノ施設「HOLLYWOOD ONE GAMING CULB HA LONG BAY(ハリウッドワン ゲーミングクラブ ハロンベイ)」(https://hollywoodone.jp/)を12月16日に開業することを発表した。

立地は、世界自然遺産のハロン湾があるベトナム北部のリゾート地ハロン市。同市内にある全508室を有するホテル「ムオンタンラグジュアリークアンニンホテル」の1Fと2Fの2フロアに出店する。店内には、ルーレット、バカラ、スロットなどのゲームを揃えるという。

同社海外事業部では、「当社は、2014年にシンガポール支社を設立して以降、世界から日本を見た時に、『日本の接客力の強さ』を改めて感じ、世界中にニーズがあると考えた。また、人口減少問題でマーケットが縮小していく背景もあり、事業発展のために海外へ更なる展開をしていくことも必要であると感じ、今後経済的発展が見込まれるベトナムへの進出に至った」としている。~以上、遊技通信webより抜粋~

 日本企業のカジノ進出というのは古くはパチスロのユニバーサル販売が有名で、カジノ経営ではなく、機械を販売していた。つい最近の動きでは中国の国有ファイナンス企業との合弁会社を設立し、東南アジア向けのカジノ事業を展開していくという。ライバルのセガサミーは韓国・仁川にオープンしたIRに出資している。目的は間違いなく、国内カジノ事業への実績を作るためだろうが、国内のパチンコを巡る環境の厳しさから、海外に目を向けたと解釈してもいいだろう。

 ホール側の動きとしては既にマルハンやダイナムがマカオのカジノに出資しており、今回のベガスベガスのカジノ進出も、今は国内より海外に目を向けるべきと考えた結果だろう。気になるのは、それほどパチンコ、パチスロの今後が見通せないほど、先行きが不透明なのかということだ。今まで幾度となく、この業界は苦境に立たされてきたのだが、その度に何とかあの手この手で乗り越えてきた。今回も乗り越えられると信じてはいるのだが……。