「人を呼ぶプロになりたい」そんな大それたことを思ったのは、パチプロ生活を始めてしばらくしてからのことだ。
自分が打つことでホールが出したいのに閑散としたコーナーに、「あれ、ここは出るのか」と他のお客さんに思わせて、活況を呈すなんて漫画みたいな理想を目指したいと。今では考えて恥ずかしいけどね。
同時に一般客の皆さんに好かれたいとも思ったものです。

ただ、今のスタンスは違う。これは堂々巡り的に考えが右へ左へと移ろう中での、現時点での自分の考え。
「ファンあってこそのプロ。彼らの負け分から少しだけおこぼれをいただく存在なのだから、感謝して優しくしないと」
「でも、それを突き詰めるとカモだからサービスする、に繋がるのではないか? それは傲慢が過ぎるのでは?」
この両者のスタンスの間で迷い続けているのですよ。

今の自分は
「勝つことがズルいとは思わない。だから、卑屈になる必要はなし。もちろん、勝ったからといってなんだ? 別に偉くも何ともないだろ」
「同時に負けている人が同情される存在ではない。パチンコはみんなが好きなように打ち、その責任は各人が取るだけなんだから」
だ。
そして
「打ち手は皆、台との遊技だけしにきている。他人を気にしてどうする?」
であるし
「一人の遊技者として誰ともフラットに接し、そういう気持ちでいたい」
でもある。

そんなことを考えたのは、今も勝ち組であることを誇り、横柄な態度を取る打ち手が、いわゆる軍団的な存在を中心にいるとの噂を聞いたからだ。
まあ、そりゃあ反感を買うわな。若さの極み。その辺は年月を経て変わるもんだけど、若い人は次々にこの世界に入って来るし、ずっと繰り返されることかもしれん。

ただ、勝ち組ばかりが一方的に非難されるのもどうか? とも思う。
なぜなら、ごく一部の一般ファンから、自分や自分の友人は常にやっかみを受けてきたから。これは被害妄想じゃなくてね。

結局、いがみ合いはどっちもどっち。あまたいる打ち手の氷山の一角程度の割合でしかない人達が、勝手にやっているだけだ。
残念ながら、これはパチンコが存在する以上、永遠に続くと思われる。せめて、自分には関係ない所で静かにやっていてくれって感じですよ。