YouTubeで言えば「いつも通りの動画を上げてるだけで数字が伸びて行くと思ったら大間違いなんだよこのポンコツ野郎」でしょうか。

なんだかタイトルよりも語尾が荒ぶっておりますが、自分に対しての言葉なので気にしないでください。育ちが悪い&ネットスラングダイスキーな者ゆえ、時々ポンコツとかち〇ことかクソワロタwwwとか品のない言葉を発します。

うーん、今夜も本麒麟(雑酒)と本絞り(激安サワー)が美味しい。こんな小市民の楽しみを値上げしないでよベイベェ。

さて、タイトルの説明。

これは、パチ・スロゲーセン界隈の話です。現役のホール・メーカーさんとは無関係な話ゆえ、そこはご了承下さい。

でも一般論としては、設置産業全般に言える事でしょうね。パチ・スロゲーセンやホールは勿論、ボーリング場やビリヤード場、ゴルフの打ちっ放しなんかもそうでしょうか。

スマホでアレコレやれるのが当たり前。音楽はイントロ無しにいきなりサビから始まる曲がウケ、YouTubeは倍速消化当たり前。ファスト映画やらネタバレサイトやら切り抜き動画やらが流行るのは、結局のところ世間の皆様の余暇時間が減り「何かに追われている」証拠だと思います。

そんな中、時間と労力を使って現地に行かないと遊べないナニカは、よほどの価値が無いと選ばれない。そんな時代になっているのは間違いないと思います。

 

パチンコ・パチスロに関して言えば、ギャンブルという土台にある各種産業を見ると、公営競技はネットで買えるようになりました。おかげでボクの古い友人の中で、唯一最後までパチ・スロを楽しんでいた1人も、今やスマホでボートをやり、ソシャゲのガチャを回す生活となって、パチ・スロからは足を洗いました。

でも、パチ・スロゲーセンはギャンブルではありません。世に溢れるあらゆるエンタメ・余暇産業がライバルであって、ギャンブルという特権が無い形で、パチ・スロよりもはるかに支持されるライバルひしめく中、お客さんに選んでもらわなければいけない立場です。

とは言え、パチ・スロゲーセンは非常にニッチで規模も小さい産業ですから、ともすれば「一定数いるマニアは他の余暇とは競合しないから来てくれるんでしょ?」と思いがち。でもそれは大きな間違いなんだと最近実感しています。

と言うのも、全国各地のパチ・スロゲーセンを見てきた結果、やはりそれぞれに大きな「差」を感じるからです。

 

以前、「レトロ想い出広場(柏崎市)の歩き方」という記事の中で、少しばかりレトロさんのあり方について苦言を呈しました。しかし、先週訪れたビッグスマイルさんにはそれ以上の危機感を感じざるを得ませんでした。

撮影当日は、10時~21時過ぎまで遊ばせて頂いたのですが、その間ボク以外のお客さんはなんとゼロ。何人か、入店してぐるりと店内を見ていく方はいらっしゃいましたが、全員そのまま退店していきました。

平日の火曜日とは言え、流石にゼロって……。日中はともかく、アフターファイブになったら何人かは来るだろう……との期待もむなしく、退店する最後まで、終日ボクの台音だけが響き渡っていました。

収録的には雑音が無くてありがたいんだけどねぇ……ってそんなわけあるかいw虚しさとか寂しさの方が勝るわw

そして、猪木で2400ハマりながら「大丈夫かなこのお店」を通り越して「そらお客来ないよな……」という確信が深まる1日でした。オープンから2ヵ月弱で、まだそれほど知られていないから、とかいう問題ではありません。シンプルに店側にやる気が感じられないからです。

 

ビッグスマイルさんは2Fにあるのですが、1Fは今も営業を続けているホールさんで、スタッフさんは両方の仕事を兼務する運営方針のようです。

そんな中、少なくともボクがいた1日の間、(名刺交換をした店長さんを除き)2Fのゲーセン内にスタッフさんが足を踏み入れる事は一切ありませんでした。完全な無人営業状態です。

それってどうなんでしょうね……?

ボクがこれまでタンポポやライズ、ノスタルジア、岐阜レトロ等々で常々感じたのは、運営スタッフさんたちのパチ・スロに対する熱です。台のチョイスやメンテナンス、お店の雰囲気等々、節々からなんらかの意図が伝わるのが老舗ゲーセンさんです。

接客と言う面でも特筆すべき点がいくつもあります。これらのゲーセンは、言うまでもなく運営されている方々が、台だけでなく自店に対する愛情に溢れています。だからこその知識、メンテナンスの妙が接客となって現れています。それぞれ方向性に細かな違いはあるにせよ、レトロ台を扱う上でお客さんが期待する最低限のベース(よりも上のナニカ)がそこには確実にあります。

ただ、そういったゲーセンを運営されているどの方も「儲けが目的ならやるもんじゃない」と仰います。なぜなら、それぐらいそもそもの需要が少ないジャンルだからです。

ボクからすればそんな大前提があるこの界隈において、ビッグスマイルさんは「なんで今始めたの?」という部分が、1日遊んでいて全く伝わって来なかったのは大変残念でした。

 

レトロ台を打ちたい方にとって、好きな台を好きなように打つだけなら、アプリでいいし、家スロ・家パチでいい。「あの台の甘釘・設定6を一度打ってみたかった」程度の動機なら、1回触れたらもう満足する方も多いはずです。

そして、ただでさえニッチなこの界隈は、思い入れが強い方ほど、とっくにコレクターとして、既存のゲーセンの遊戯者として、台とずっと接してきています。だから、台そのものはパチ・スロゲーセンに何度も足を運ぶ理由にはなりません。

では、何が動機になるかと言えば、それは「コミュニティ」だと強く感じています。

スロ(パチ)ゲーセンには、当然それが好きな人がお客として集まるからこそ、そこにコミュニティが生まれます。大人になってからは中々少ない、同じ趣味を持つ仲間たちの場です。

ただ、当たり前の話ですがお客さん同士は必ずしもいつもいるわけではない。パチンコ屋でも同様ですが、一人で遊ぶスタイルが基本のパチ・スロを打つことを目的に店舗に訪れて、お互いの素性も何も分からない中でいきなり声を掛け合ったりはしないわけです。

でも、その場にいる人たちには確実に共通項がある。

だからこそ、そこにいけば必ずいるスタッフさんの存在と役割が大きくて、そこを中心に少しずつ輪が広がっていく事で初めて「あそこへもう一度行きたい」となるような気がしています。

そして、そうしたサイクルを生み出す事で、ようやくビジネスとして成り立つ。それくらい、パチ・スロゲーセンにおけるスタッフさんの役割は大きいように感じます。

「あそこに行けば自分が好きなパチ・スロを語り合える、近い熱量で楽しめる人がいるからまた行こう」

こんな、エモーショナルな誘因があるから、わざわざ手間と時間を割いてお店まで足を運ぶのだと思います。

 

悠遊道内でも色々と話しをする中で、ビッグスマイルさんには

「6号機がなんでこんなにあるんだよw」

といった声もありました。でもボクは、6号機があってもいいと思います。6号機だろうが5号機だろうが打ちたい人は必ずいます。でも、何度も足を運びたいと思う理由は「台」じゃなく「人」であり「そこにしかない場」です。

たった一度の訪問ですが、ビッグスマイルさんからはそれを感じる事が出来なかったのが残念で仕方ありません。

ボクが滞在中、店舗に足を踏み入れたものの、結局遊戯せずに帰ってしまったお客さんに対して、そういった運営側の熱を伝えられていないのは明確な機会損失ですし、ただただ勿体ないな、と思いました。

 

先々週、高尾フェアでタンポポさんにお邪魔した際、たまたま喫煙所でお話したお客さんが言っていました。

「はざまさんのゆるい接客が好きだから来たんだよ」と。

ノスタルジアさんが閉店した時

「台のことなんて知らないよ」

って笑う太田さんに対して、別れを惜しむお客さんがなぜ多かったのか。

11時間、スタッフが誰もいない店舗にその答えはありません。そこにコミュニティは生まれないのは確かです。

 

勿論、運営側にしか分からない様々な事情もあるでしょう。「儲らないならやめてしまおう」と思えるくらいなら、それで良いと思います。

でも、許可を取るのが難しいと言われるパチ・スロゲーセンを開店にまでこぎつけたビッグスマイルの皆様が、今の店舗をただの商売道具にしか見ていない、儲かりさえすれば何でもいい、なんて思っているとは思えません。それは、清掃の行き届いた清潔な店内を見ても感じます。

だからまだ、色々と至っていないだけ。そう信じていますし、そう思いたいからこそ、僭越ながらあえて苦言を呈したいと思います。

そして、ビッグスマイルさんも、タンポポさんやライズさんを始めとする多くのパチ・スロゲーセンさんと同じように、ボクらが好きだった世界の灯が保たれるよう、明かりを照らし続けてくれる場であって欲しいと心から願います。


■万回転 プロフィール

  • 1978年生まれ ♂ 
  • 累計15年間パチプロを経験
  • CR銭形平次の捻り打ち動画をアップしてしまいネットでプチ炎上した事を機に安田プロと個人的な親交が生まれ、悠遊道へ寄稿する事に
  • 色々あって完全にパチプロを引退。
  • 現在は悠遊道動画チャンネルの何でも屋

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