「パチスロと同じようにパチンコにも天井があったらいいのに…」

そんなパチンコファンの叫びがついに具現化したのは皆さんもご存知の通り。いわゆる「遊タイム搭載機」というやつですね。具体的な仕様に関しては、専門のパチンコライターさんの詳しい解説を参照していただくとして、ざっくり紹介すると「天井に到達した瞬間から電サポがスタートし、右打ち中に大当りを引けばSTに突入する」という新しいシステムです。

遊タイムの性能は機種ごとに異なり、たとえば「ぱちんこ仮面ライダー轟音」の場合だと、通常確率の状態(1/319.9)を950回転消化すると、以後1200回転の遊タイム(時短)に突入します。さすがに1200回転もあれば超高確率で大当りを引けますし、その消化後には必ず120回転のSTが発動して約83%の割合でループしますから(ST終了時の40%で120回転の時短を追加)、マジでハマり甲斐がある…というか、ハマリ時の目標になります。これまでは、いつ引けるかわからない大当りを目指して(死んだ魚のような目で)黙々と突っ込むしかなかったんですが、遊タイム搭載機は「ハマればハマるほどアツい!」という意味において、非常に画期的な機能だと思います。

 

ただね、天井の性能が強力であればあるほど、通常時がキツくなるのは致し方ありません。ようするに回らないのよ。

この機種のボーダーラインは「遊タイムまでの残り回転数」によって激変し、等価交換の条件下であれば「残り400回転」から打ち始めれば千円15個でも期待収支がプラスになるそうです。仮にST抜け直後の状態から打つのなら、ボーダーは19個前後になるらしいのですが、まぁ、実際にホールの営業釘を見る限りでは、千円で16個も回ればまだ良心的な店じゃないかな…って気がします。

 

そして、自分の周囲ではどうかというと、専業の人たちが打ってる姿は全く見かけません。専業は全て期待値で勝負するか否かを考えるので、もしもプラスになる回転数の台が空けば打つでしょうが、残り950回転の台なんて打ってられない…ってことなんでしょうね。それに、自力でハメた末にめでたく遊タイムに突入すればいいけれど、大当り確率1/319.9の台を950回転させる間に大当たりを引けない割合は5%弱。残りの95%はそこまでに大当りを引く計算になるため、最悪のケース(遊タイムに突入する直前にヘソで大当りを引いて50%のSTに漏れる)を想定した場合、通常時の回転率の悪さも手伝って二の足を踏んでしまうのも無理からぬ話です。いやぁ、パチンコって大変なんだなぁ。

 

ちなみに、私は「ぱちんこ仮面ライダー轟音」をまだ打っておりません。昔からいろんなコラムで書いているのでご存知の方もおられるかも知れませんが、私は藤岡弘、さんの大ファンです。小学2年生の頃に観た仮面ライダー=本郷猛の格好よさに魅せられて、以後、藤岡さんの出演される作品をずっと観続けてきた私にとって、新規撮り下ろしで藤岡弘、さんが本郷猛を演じる「ぱちんこ仮面ライダー轟音」は勝敗を度外視してでも打ちたい機種なんですが、残念ながら今のところ打つ機会がありません。まぁ、仮に千円16個の台に座ったとして、遊タイム到達までに使う金額は約6万円。もちろん、それまでに大当りを引く可能性の方が遥かに高いのですが、私は昔から「最悪の場合」を想定した上で打ち始める習性が身についているので、このまま打たずに終わる可能性も…。

 

なお、同じ京楽さんの甘デジ「ぱちんこ新・必殺仕置人TURBO」は2回だけ打ちました。最初は話のネタに新装から数日後に朝から打ったんですが、3千円打って39回転しか回らず、嫌気がさしてヤメちゃいました。二度目は戦国コレクション4でボロ雑巾になった後、仕置人のシマを見たら以前よりもマシになったように見える。それで試し打ちしたところ、最初の千円で18回転もあったので当たるまで打つ気になったんです。まぁ、結論から言うと千円15個の上ムラだったんですが、幸いにして投資7Kで大当りを引き、時短中にわずか4回転でエアバイブが発生。こりゃあ完全に貰った…と思ったんですけどね。あろうことがST120回転を駆け抜けちゃいましてね。ところが、ラッキーなことに50回転の時短が付いてきたんですよ。まぁ、これもあっさり駆け抜けたんですが、「左打ちに戻してください」の表示中に、電サポの残保留が大当り。びっくりしたなぁ、もう!

しかし…次はまたしてもSTを駆け抜けて、今度は時短も無し。わずか709個の出玉(全て3R当りでした)を1発も打たずに流しました。ライダー轟音を打つのを躊躇ってしまうのは、この時の徒労感があまりにも強烈だったからかも知れません。

 

それで、思ったんですよ。もしかして、遊タイムって歓迎すべき機能じゃないのかな…って。損をしたくなければ「ST抜け」または「時短抜け」で即ヤメが鉄則。もちろん、楽しむために打つプレイヤーは沢山いますが、遊タイムが見えてくると(ハイエナに美味しい思いをさせたくなくて)途中でヤメるわけにもいかず、結局は余計なお金を使ってしまう。そして、無事に遊タイムに突入すればいいのですが、約95%はその手前で大当りを引いてしまうわけで……以後、繰り返し。

 

「パチスロと同じようにパチンコにも天井があったらいいのに…」

昔からそう願っていたのは事実ですが、いざ現実となったら「思っていたのと何か違う…」。今は個人的にそんな心境なのです。パチンコ業界は「設定付き」が大コケした直後につき、できれば遊タイム搭載機には成功して欲しいんですけど、果たしてこれからどうなるんでしょうねぇ?